used to/be used to/get used to(と would)の違いを実例で
過去の習慣を表す used to と would、「慣れている」を表す be used to と get used to。ネイティブが実際にどう言うのかを、本物の動画クリップで確認しよう。
Chief Language Pedagogy Geek @ Reelang
「used to」「be used to」「get used to」は見た目がほとんど同じだ。でも意味は違う。ひとつは過去の話。残りのふたつは「どれくらい慣れているか」の話だ。4つの形を並べてみよう。
| 形 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| used to + 動詞 | 今はもう当てはまらない過去の習慣や状態 | I used to live in Chicago. |
| would + 動詞 | 繰り返された過去の動作(状態には使わない) | Every summer, we would go to the lake. |
| be used to + 名詞 / -ing | 自分にとって普通に感じること | I'm used to the cold. I'm used to getting up early. |
| get used to + 名詞 / -ing | だんだん普通になっていくこと | I'm getting used to the cold. |
見分け方は簡単。単独の「used to」の後ろは動詞の原形(used to live)。「be used to」「get used to」の後ろは名詞か -ing 形(used to the cold、used to living)。ここでの「to」は前置詞だからだ。
この先では、それぞれの形について短い説明と、ネイティブが実際に使っているクリップを紹介する。ルールの後には、教科書どおりとは限らない「日常でのリアルな言い方」のセクションもある。字幕の単語をタップすれば意味が出る。
used to:過去の習慣
used to + 動詞の原形は、昔は定期的にやっていて今はやっていないことに使う。いつでも「昔はそうだった、でも今は違う」という意味になる。「今は違う」とわざわざ言う必要はない。used to がそれを含んでいる。
この動画では、きょうだいが子どもの頃に飲んでいた飲み物を味わっている。「used to drink this all the time」に注目:
「all the time」や「when I was younger」は used to とよく一緒に出てくる。習慣だったこと、そしてそれが終わったことを強調する言葉だ。
形について知っておくべきことが2つ。
- 過去形しか存在しない。 現在形の「I use to」はない。今の習慣なら「I usually」か、単純に現在形を使う:「I usually drink coffee」「I drink coffee every morning」。
- 人称で変化しない。 I used to、she used to、they used to。いつも同じ形だ。
used to:過去の状態
used to は状態にも使える。住んでいた場所、好きだったもの、していた仕事、信じていたことなど、ある期間ずっと当てはまっていたことだ。be、have、live、like、love、know、think などは状態を表す動詞だ。
ここではボブスレー選手が、ボブスレーを始める前に何をしていたかを話している:
次はクッキーのランキング。「used to like those」の直後のセリフを聞いてほしい。used to の意味そのものが説明されている:
「Not so much anymore.」これこそ used to がいつも持っている「でも今は違う」だ。
「I used to think...」は used to を使う表現の中でもとくに便利だ。「前はそう思っていたけど、考えが変わった」という意味になる。話や動画の始め方として定番だ:
次のセリフで、話し手の考えを変えたものが明かされる。「I used to think X, but then Y」は何度も耳にするパターンだ。
would:繰り返された過去の動作
would + 動詞の原形も、過去に何度も繰り返したことを表せる。子どもの頃の思い出を語るときによく使われ、懐かしくて温かい響きがある。
ギリシャでの食べ歩き動画。このブロガーは、母親が大好きなほうれん草のパイ、spanakopita について語る:
本人も「super nostalgic」と言っている。次のクリップでは、台湾の旧正月について話している。時間の枠が示されたあと、would が何度も繰り返されることに注目:
would は、まったく懐かしくない話にも合う。バリスタが不気味な常連客について語る場面:
「would always」はよくある組み合わせだ。毎回必ずそうだった、と強調する。
used to と would の違い
どちらも過去の繰り返しの動作を表せるので、選べる場面も多い。「We used to go to the lake every summer」と「We would go to the lake every summer」は同じ意味だ。違いはこうだ。
- would は状態には使えない。 「I used to have a dog」は言えるが「I would have a dog」は言えない(別の意味、仮定法になる)。「I used to live in Ohio」は言えるが、この意味で「I would live in Ohio」とは言えない。
- would には先に時間の枠が必要。 「I would play tennis」だけだと仮定法に聞こえる。「When I was a kid, I would play tennis every weekend」なら大丈夫。過去の話だと相手に伝わるからだ。
- 迷ったら used to。 動作にも状態にも、時間の枠があってもなくても使える。
ネイティブはこの2つをしょっちゅう混ぜて使う。典型的なのは、used to で話を始めて、場面が定まったら would に切り替えるパターン。あるシットコムのこの場面では、女性が妹と育った頃の話をしている。used to が2回、そのあと would が出てくるのを聞いてみよう:
didn't use to と did you use to
否定文と疑問文では、他の過去形の動詞と同じルールが使われる。過去は did が背負い、本動詞は原形に戻る。つまり「used」は「use」になる:
- I didn't use to like coffee.
- Did you use to live here?
これが教科書どおりの綴りだ。ただ実際には「didn't used to」「did you used to」も同じくらいよく見かける。しかも話し言葉では完全に同じ音になる。「used to」の d はほとんど発音されないからだ(これは後で詳しく)。今では多くの辞書が両方を認めているが、試験や文章作法の本は今でも「didn't use to」を好む。
このクリップでは、飲み物についての会話の中で didn't use(d) to の使い方が見られる:
「I didn't used to drink tea, but now I drink it all the time」は、さっきのクッキーのセリフと同じ形だ。昔はこう、今はこう。字幕は「used」と綴っている。多くのネイティブもそう書く。
used to を使った疑問文は、久しぶりに人に会ったときや、相手の昔のことを知りたいときによく出る。「What did you use to do?」は、昔の仕事をやんわり尋ねる言い方だ:
答えにも注目:「Oh, used to work in the restaurant industry.」くだけた話し方では、文頭の「I」はよく省かれる。
否定疑問の「didn't you use to...?」は、自分の記憶を確かめるときに使う。この『フレンズ』の場面では、チャンドラーの新しい眼鏡が昔の眼鏡を思い出させる:
「used not to」(「I used not to like coffee」)という形も見かけるかもしれない。文法的には正しいが、古風でとてもイギリス的に響く。アメリカ英語の会話ではほとんど聞かない。
be used to:普通に感じる
ここから2つめのグループ。be used to は「慣れている」という意味だ。長くやってきた、あるいは一緒に暮らしてきたから、それが普通に感じられる。過去とは関係がない。今も、過去も、未来も使える:
- I'm used to the noise.(今)
- I was used to the noise.(当時)
- You'll be used to it soon.(これから)
be used to の後ろには名詞、代名詞、または動詞の -ing 形がくる。暑い日のロンドンっ子の一言:
「Not used to these summer temperatures」。この人にとって夏の暑さは普通ではない。次は be used to に -ing 形が続く例。犬の健康チェックについての動画:
「used to being touched」であって「used to be touched」ではない。be used to で気をつけたい落とし穴だ。これについてはすぐ後で。
バーモント州のスペシャルオリンピックスの水泳選手は、1つの文の中で肯定と否定の両方を使っている:
最大の落とし穴:I'm used to work と I'm used to working
「used to」の見た目が両方のグループで同じなので、学習者は be used to の後ろに動詞の原形を置きがちだ。比べてみよう。
- I used to work at night.(昔は夜に働いていた。今は違う。)
- I'm used to working at night.(夜に働くのが自分には普通だ。)
- I'm used to work at night.(誤り。)
理由はこうだ。be used to と get used to の「to」は前置詞で、「I look forward to it」の「to」と同じ。前置詞の後ろには名詞がくる。動詞の -ing 形は名詞のように働く。簡単なテスト:「to」の後ろに「it」を置けるなら、動詞は -ing にする。「I'm used to it」は言えるので「I'm used to working」。「I used to it」は言えないので、普通の used to なら「I used to work」だ。
get used to:だんだん普通になる
get used to は過程を表す。最初は新しくて変に感じたものが、少しずつ普通になっていく。be used to はたどり着いた場所。get used to はそこへ向かう道のりだ。
クルーズ初日。オールインクルーシブの生活にまだ慣れきっていないブロガー:
「Get used to not paying for anything」。ここでも get used to + -ing で、動詞の前に「not」が入っている。
過去形の got used to は話全体を語る。最初は変だった、でもそのうち違った。この話し手は、日本のお菓子が最初は甘さ足りないと感じた:
次のクリップには、イギリス英語の2行の中に両方の形が出てくる。運転免許の試験に受かったばかりの人が、1人で運転するのに慣れるまで数か月かかったと話す。教官が隣にいるのに慣れていたからだ:
「Get used to being on me own」(me はイギリスのくだけた話し方で「my」のこと)と「I'm used to the examiner」。過程、そして状態だ。
get used to を使った決まり文句
日常でよく使われる言い回しをいくつか。
- You get used to it. 変なことや嫌なことでも、そのうち気にならなくなる、というときに言う。
- Don't get used to it. 「楽しんでいいけど、次はないよ。」
- I could get used to this. 心地いいもの、たいていは贅沢なものについて言う。ホテルの部屋、マッサージ、朝食を運んできてもらうことなど。
1つめは『フレンズ』のこのエピソードで。チャンドラーの笑い方についての場面だ:
3つめは『コロネーション・ストリート』から。刑務所にいる登場人物が車椅子に乗せられ、意外にも喜んでいる:
used to の発音
この部分は、何より聞き取りに役立つ。過去の習慣の「used to」でも、「be used to」「get used to」でも、s は z ではなく本物の s の音になり、d は t に溶けて消える。つまり3つとも「YOOS-tuh」と聞こえる。
普通の動詞 use と比べてみよう。「I used a knife」は z の音と d がある:「yoozd」。「YOOS-tuh」と聞こえたら、この記事で扱っている形のどれかだ。「yoozd」なら、何かを使う話をしている。
ネイティブの実際の言い方
上のルールは、書くときと試験で必要なものだ。日常の話し言葉では、これらの形がいくつかの場面で崩れる。実際に耳にする形、誰が使うのか、真似していいのかを見ていこう。
「Didn't used to」(音が同じ)
上で見たとおり、教科書の形は「didn't use to」だが、実際の文章では「didn't used to」が至るところにある。話し言葉では区別する方法がない。どちらも「DIDN'T-yoos-tuh」だ。もう1つ例を。日本とアメリカを比べるクリエイターが、チップについて話している:
おすすめはこう。友達へのメッセージならどちらの綴りでもいい。試験では「didn't use to」と書こう。
書き言葉での「I use to」「I'm use to」
同じ音が、逆向きの綴りミスも生む。d が発音されないので、多くのネイティブが「I use to live there」や「I'm not use to it」と書いてしまう。コメント欄やメッセージでは本当によく見かける。だが書き言葉では必ず誤りだ。正しくは「I used to live there」「I'm not used to it」。
Reelang の字幕に「use to」は出てこない。標準の綴りで書かれているからだ。でも上のどのクリップを聞いても、話し手が d を発音していないのが分かるはずだ。
「I used to」に聞こえる「I'm used to」
早口では、「used to」の前の「I'm」がほとんど消えることがある。だから「I'm used to it」が「I used to it」のように聞こえる。ネイティブは文法でどちらか分かる。名詞か -ing 形が続けば be used to だ。学習者はそれを「I used to it」と書いてしまうことがあるが、これは誤り。「used to」の後ろに名詞や「it」が続くのが聞こえたら、前に「I'm」「you're」「we're」がある。ほとんど聞こえなくても、だ。
状態に使う would
文法書は would が過去の状態を表せないと言うし、きちんとした英語ではそのとおりだ。でもくだけた語りの中では、「my grandpa would have this old truck」「we would live with my aunt in the summers」のような言い方を耳にすることがある。話がすでに過去に設定されているので、聞き手には伝わるのだ。くだけた癖であって、標準的な文法ではない。状態には used to を使えば、いつでも正しい。
used to could
アメリカ南部の一部では「used to could」が聞かれる。「I used to could run a mile in six minutes」で「昔は〜できた」という意味だ。「might could」と同じく、南部の話し言葉にある二重法助動詞だ。地域的でくだけた言い方だ。聞いたら理解できればいい。自分で言うときは「used to be able to」にしよう。
質問と答え
used to、be used to、get used to の違いは?
used to + 動詞は、今は当てはまらない過去の習慣や状態(I used to live in Chicago)。be used to + 名詞 / -ing は「それが普通に感じる」(I'm used to the cold)。get used to は「普通になりつつある」(I'm getting used to the cold)。
used to と would の違いは?
どちらも過去の繰り返しの動作を表せる。「we used to go to the lake」も「we would go to the lake」も言える。でも過去の状態に使えるのは used to だけ。「I used to have a dog」と言い、「I would have a dog」とは言わない。
「I'm used to work」と「I'm used to working」、どちらが正しい?
正しいのは I'm used to working。be used to と get used to の「to」は前置詞なので、後ろの動詞は -ing 形になる。
「didn't use to」と「didn't used to」、どちら?
伝統的に正しいのは「didn't use to」。did がすでに過去を表しているからだ。「didn't used to」もとても一般的で、多くの辞書が認めている。ただし試験では「didn't use to」と書こう。
「I'm use to it」と言ってもいい?
いいえ。正しい綴りは「I'm used to it」。話し言葉で d が聞こえないので「use to」と書く人がいるが、書くときは必ず used だ。
現在のことに「I use to」と言える?
言えない。used to は過去にしか存在しない。今の習慣なら「I usually」か現在形を使う。たとえば「I usually drink coffee」。
used to はどう発音する?
「YOOS-tuh」と聞こえる。s の音で、d ははっきり出ない。動詞の use、たとえば「I used a knife」は別物で、z の音の「yoozd」になる。
used to に慣れるには
表を見れば、どの形を選ぶか判断できる。でも自然な速さで違いを聞き分けるには練習がいる。「YOOS-tuh」はあっという間に過ぎるし、その前の「I'm」は聞き逃しやすい。聞き取れるようになるには、本物の人が本物の話をしているのを何度も聞くしかない。Reelang はそのためにある。ネイティブの短い動画に、タップできる字幕がついて、自分のレベルで見られる。
まずは自分のレベルの英語動画から始めよう。アプリを開いて、フィードに選んでもらうのもいい。誰かが「I used to...」と言ったら、何が変わったのかを聞き取ってみよう。